カスケードデザインズ サーマレスト ウルトラライト

      おそらくキャンピングマットでは最高級の製品をリリースしているカスケードデザインズのエアマット。
     バルブを緩めると自動的に空気が入って膨張するとあるが、日向に長時間置いておかないかぎり、あまり膨らまない。
     僕はけっこうパンパンの状態で寝るのが好きなので、いつも自分の口で膨らませている。

      51×183×2.5センチ。重量約800グラム。

      購入価格は確か9000円ほどで、これはホームセンターなどで売っている銀色のスポンジマットに比べて恐ろしく高い。
     だ
がその分、性能はよい。ある程度地面が平らならば、川原や山の石で凸凹した上でもさほど気にせずに寝ることができる。
     あぐらをかいて座った状態でも、お尻と地面がくっつく感じはない。もちろんこれはパンパンになるまで自分で空気を吹き込んだ
     状態でのことで、肺活量の少ない人には望めないことかもしれない。

      断熱性能も高く、雪の上でも寝ることが可能。快適にとまでは言えないが、寒くて寝られないことはない。
     雪の上で寝ることが多い人は、さらに厚みのある製品を選ぶとより良いだろう。
 
     
      スポンジやウレタンのマットはより軽量だが、丸めたときにかさばる。旅では一番邪魔になる存在だと言っていいだろう。
     巨大な円筒形や箱型のマットは、オートバイの旅でもかなり邪魔で、徒歩旅のときなどは途轍もなく邪魔になる。
 
      つまり、エアマットの最大の長所は、「かさばらない」ことである。この製品は空気を抜いて、幅を半分にして丸めることができる。
     体重をかけてつぶし、さらにバルブから空気を吸い出せば、26×13センチくらいにできる。
     パッキングを可能な限り綺麗にまとめたいと思っている人間なら、高い金を出して購入する価値はある。

      しかしながら、最大の欠点として、耐久性がない。仔猫に爪を立てられたり、ノバラの棘が刺さっただけで穴が開く。
     しかも水中に沈めたりしない限り、穴を発見するのはまず不可能。どうやっても発見できない空気漏れのため、
     夜はパンパンに空気を入れても、朝方にはつぶれている症状に悩まされることがある。
 
      熱にも弱い。底の熱い鍋を乗せると、その部分の生地が見事に伸びて(あるいは内部の接着が剥離するのか)、
     ぽっこりと膨らんでしまう。そういった原因で、僕は今までに三回買い換えている…。


       

    モンベル U.L.コンフォートシステムパッド 150キャンプ
    モンベル U.L.コンフォートシステムピロー

      世界最軽量のエアマットをうたうモンベルの製品。写真は150cmサイズのものと、空気枕をジョイントした状態のもの。
     重量は150cmのマットで560g。丸めた状態はサーマレストよりもコンパクトで、30cmほど短い分もあって驚くほど小さい。
     しかし一度使用すると、売っている状態までコンパクトにするのは不可能。付属のスタッフバッグも大きすぎて、せっかく努力して
     まとめてもガサガサでは張り合いがない。丸めた状態を維持するベルトがついているので、袋の中で膨らんだりはしない。

      自動膨張式だが、当然のごとく放っておくだけでは充分に膨らまない。自分の息で膨らませるのだが、一度パンパンにしても、
     しばらく後にはへたれてきて、地面に尻がつく感覚がするので、もう一度膨らめ直さなくてはならなかった。
     これは北極圏で使っていたので、吹き込んだ息が冷えて体積が減ることが原因だと思われるが、サーマレストの場合は
     冬に使用していても二度入れなおす必要はなかったから、内部構造の違いによるものだろう。

      で、そんなふうに冷えたときにパンパンにしていたことが原因なのか、使用して一ヵ月半が経ったある朝、テントの中が
     暖かくなってきたときに、いきなり内部剥離を起こしてパンクしてしまった。けっこう体に衝撃があり、ライフルで撃たれたのかと
     思ったほどだ。直径30cmほどの剥離はすぐにどんどん広がって行き、半分ほどが剥離したときに、二枚に折って使うことに決めた。
     そのときいた場所はノルウェーのロフォーテン諸島という田舎だから、新しいものに買い換えるわけにはいかず、結局その後の
     二週間ほどをそんな不便な状態で過ごした。

      内部剥離など、サーマレストでは1200泊の使用で一度もなく、よってこの個体がたまたま不良品だったとしても、
     信頼性はなくなってしまった。シャモニーで新しいエアマットを買った後は壊れたこのマットを持ち歩くのが嫌なので、
     壊れた状態の写真を撮り、ロット番号の部分を切り取って、日本に帰ってからモンベルショップにクレームを出した。
     店長の対応は親切で、新品を無償提供するか、購入代金を全額返金か希望どうりにするということだったので、
     返金のほうを選んだ。一度信頼のなくなった製品を使うのはいい気分ではないからだ。

      枕のほうは、決して寝心地がいいとは言えない。それまでは着替えを積み重ねて枕にしていたのだが、それよりは多少
     安定しているだけ良い感じか。軽いので負担にはならないので、持っていても損はない。


        

     サーマレスト Prolight 3 レギュラー      

      上記の事情により、2008年のヨーロッパ旅の途中、フランスのシャモニーで購入したエアマット。89ユーロ。
     重量570g。長さ183cm。最大幅51cm。つまりはサイズから考えればモンベル製品よりも軽い。
     重量に関しては各社競争が激しいので、すぐに最軽量製品が入れ代わるのだろう。
     使用した後の丸めたサイズは27×12cmほどだが、慣れない人は直径12cmまでまとめられないだろう。

      見てのとおり完全な長方形ではなく、足側に行くに従って幅の狭くなる形状。
     これは少しでも軽くするための工夫だろうが、居心地がいいのは言うまでもなく幅が広いものだから、あまりうれしい形ではない。
     丸めたときにも結局、最大幅(縦半分折りなので約半分の27cm)が長さになるのだから、かえって体積を無駄にしているような
     気持ちになってしまう。数十グラムのことならば、長方形にしてほしい。

      寝心地は以前の製品よりも、モンベルの製品よりもいい。高級感もある。一度空気を入れるだけで地面に尻のつく感覚はない。
     明るい色はテント内が明るく感じるので良い。滑り止め加工もほどほどで、裏地は補強してある(ように見える)ので、
     以前の製品よりは穴が開きにくくなっているだろうと期待できる。もちろん地面に直接敷いて寝る気にはなれない。


   マットの選び方 総論。

   1. 高価だが、かさばる荷物が嫌な人、パッキングを美しくまとめたい人にはエアマットが良い。
   2. より良い寝心地を求めるならば、エアマット。
 

   マットの選び方 補足。

    エアマットにしろ、スポンジマットにしろ、キャンプや野宿にマットは必要。かなりの好条件でないと、地面に直接
   (テントの生地や寝袋があるにしろ)寝ることは苦痛である。夏でも少し標高の高い場所や北海道では、地面からの
   冷えが体に伝わってくるものだ。長期の旅では絶対に必要な装備だと言っておく。
    寝袋以上に、マットの質は健全に寝る、つまり健全に旅を続ける上で重要な要素である。
 

                             

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